日本人はアメリカ人と比べて投資をしている人の割合が少なく、投資に対する苦手意識が強いですよね。
なぜ日本人が投資をしない文化になり、苦手意識を持っているのかを解説します。
貯蓄文化
日本人は貯蓄が大好きな国民と言われています。
しかし日本人の貯蓄文化は、実はそれほど古くから存在しているわけではありません。
その起源は、第二次世界大戦後にさかのぼります。
戦後の日本は、戦争によって国家の富を使い果たし、焼け野原となった状態からの復興を目指す必要がありました。
そのためには、産業を育てるための資金が必要でしたが、政府は戦争でお金を使い果たし、国庫財政はほとんど空でした。
そこで、国民全体が貯蓄に励むことで、必要な資金を調達するための政策が進められました。
これが、日本人の貯蓄文化の始まりと言えます。
それ以前の日本では、例えば江戸時代には、庶民には投資的な考えが浸透しており、先物取引などが行われていました。
しかし、戦後の復興のための政策として、貯蓄が推奨されるようになり、それが日本人の貯蓄文化として定着したと考えられます。
なお、現代の日本では、貯蓄だけでなく、投資や資産運用についての理解も広がりつつあります。
これは、経済環境の変化や情報の普及によるもので、これからの日本人のお金に対する考え方や行動にも影響を与えていくと考えられます。
リスク回避
日本人は安定志向が強く、リスクを回避する傾向にあります。
日本人の安定志向は、多くの要素が組み合わさって形成されています。
以下にその主な要因をいくつかご紹介します。
- 歴史的背景
日本の歴史には、戦国時代のような混乱と不安定な時期がありました。そ
のような時期を経験したことで、日本人は安定を求める傾向が強まったと考えられます。
- 社会制度
日本の社会制度や文化も、安定志向を形成する一因となっています。
例えば、企業の終身雇用制度や年功序列制度は、安定した生活を保証するものであり、これらの制度が安定志向を強化してきたと考えられます。
- 経済状況
経済状況も安定志向に影響を与えます。
バブル崩壊後の長期的な経済停滞は、リスクを避けて安定を求める傾向を強めたと言われています。
- 教育
日本の教育制度や親からの教育も、安定志向を形成する要素となっています。
競争よりも協調性を重視する教育や、安定した生活を送ることの重要性を教える親の教育が、安定志向を形成してきたと考えられます。
これらの要因が複雑に絡み合って、日本人の安定志向が形成されてきたと考えられます。
しかし、これらは一部の要因であり、他にも様々な要素が関与している可能性があります。
情報不足
日本における投資情報の不足は、いくつかの要因により引き起こされています:
- 金融教育の欠如
日本の公的教育では、長らく金融教育が行われてきませんでした。
そのため、投資を始める人は、インターネットや書籍などの断片的な情報から自己流で始めるしかありませんでした。
体系的な知識を得ることができず、効率的な投資が実践できない結果、感情的な投資によって失敗する人も少なくありません。
- 投資制度の普及の遅れ
日本では、投資制度の普及が他の先進国に比べて遅れていました。
これは、投資に対する理解と情報の不足によるものです。
- 投資の成功体験が少ない
日本では、投資の成功体験が少なく、投資=危険という偏見が広まっていました。
これは、投資に対する理解不足と情報の不足が原因で、投資に対する恐怖感を増大させていました。
これらの要因が組み合わさり、日本では投資の情報が少なかったと考えられます。
しかし、最近では金融教育の普及やインターネットの発展により、投資情報は増えつつあります。
これにより、これからの日本人の投資行動は変化していく可能性があります。
お金の話がタブー
子供のころにお金の話をすると、家族や親せき、周囲の大人から「汚いからやめなさい」と叱られた経験がある方もいますよね。
日本でお金の話がタブーとされる理由は、文化的な要素や歴史的な背景によるものが大きいと考えられます。
- 文化的な要素
日本の社会では、他人と比較することや自己主張を控えめにする傾向があります。
そのため、自分の経済状況を公に話すことは、他人と比較する行為と捉えられ、避けられる傾向があります。
- 歴史的な背景
日本の歴史において、特に江戸時代には、商人は社会的な地位が低く、金銭を扱うこと自体が下品とされていました。
この時代の価値観が、現代の日本人のお金に対する意識に影響を与えていると考えられます。
- 教育の影響
日本の教育制度では、長らく金融教育が行われてこなかったため、お金や投資についての知識が不足しているという問題もあります。
その結果、お金の話をすることが難しいと感じる人が多いのかもしれません。
これらの要因が組み合わさって、日本ではお金の話がタブーとされてきたと考えられます。
しかし、最近では金融教育の普及や情報のアクセス性の向上により、この状況は徐々に変わりつつあります。
まとめ
日本人の投資への苦手意識は歴史、文化、社会、教育的背景など様々な理由が絡み合っています。
最近では政府がNISAやiDeCoを推奨しており、流れがだいぶ変わってきています。
いつまでも投資に対して苦手意識を持たず、社会の流れにしっかり乗って資産を形成していきましょう。
▼投資を始めるためのステップを記載しています。参考にしてください。